アトピー性皮膚炎(あとぴーせいひふえん)について
2025年10月05日
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う湿疹を慢性的に繰り返す皮膚の病気です。皮膚のバリア機能が低下して乾燥しやすく、さまざまな刺激に敏感になることで湿疹が生じます。
症状は良くなったり悪くなったりを繰り返しますが、近年は治療法が大きく進歩し、症状がほとんどない状態(寛解)を目指すことが可能になっています。
適切な治療を継続することで、多くの患者さんが日常生活を快適に送ることができます。
主な症状
皮膚全体が乾燥し、かゆみの強い湿疹が繰り返し現れます。
湿疹が悪化すると、「赤みが強くなる、ジクジクする、皮膚が厚くゴワゴワになる(苔癬化)、硬いしこりのような湿疹(痒疹)ができる」などの症状がみられます。
年齢による特徴
乳児期
頭や顔の赤くジクジクした湿疹から始まり、次第に全身へ広がります。乳児ではアトピー性皮膚炎以外にも湿疹を起こす病気が多いため、症状が数か月以上続く場合に診断を検討します。
幼児・小児期
皮膚全体が乾燥し、首・ひじ・ひざ・手足の関節の内側などに湿疹ができやすくなります。
青年期・成人期
顔、首、上半身に湿疹が多くみられます。慢性的に掻き続けることで皮膚が厚くなったり、痒疹ができたりすることがあります。
原因
アトピー性皮膚炎は、「生まれつきの皮膚の体質(バリア機能の低下)、アレルギー体質、環境からの刺激」が組み合わさって発症すると考えられています。
皮膚の保湿成分や皮脂が少ないため、水分が逃げやすく乾燥しやすい状態になっています。
その結果、ダニ、ハウスダスト、花粉、汗、細菌や真菌、摩擦、などの刺激を受けやすくなり、炎症が起こります。
さらに、かゆい → 掻く → 炎症が悪化する → さらにかゆくなる という悪循環によって症状が慢性化します。
治療について
アトピー性皮膚炎の治療は、「薬物療法、スキンケア、悪化因子への対策」の3つが基本となります。
薬物療法
外用薬(ぬり薬)
炎症を抑える治療の中心はステロイド外用薬です。症状や部位に応じて強さを使い分け、安全かつ効果的に治療を行います。
ステロイド以外にも、プロトピック軟膏(タクロリムス)、コレクチム軟膏、モイゼルト軟膏、ブイタマークリームなど、それぞれ特徴の異なる外用薬があります。
当院では患者さんの年齢や症状に合わせて最適な外用薬をご提案します。また近年は、症状が落ち着いた後も適切に外用薬を続け、再発を予防するプロアクティブ療法が標準的な治療となっています。
内服薬
かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬などの内服薬を併用することがあります。
紫外線療法
ナローバンドUVB(紫外線療法)は、炎症とかゆみを抑える有効な治療です。
週1回程度の通院が必要ですが、中等症以上の患者さんでは高い効果が期待できます。
当院でも多くの患者さんが治療を受けられています。
生物学的製剤
近年、アトピー性皮膚炎の治療は大きく進歩しました。
中等症から重症で、従来の治療では十分な効果が得られない患者さんには、デュピクセント、ミチーガなどの注射薬が使用できる場合があります。
これらは炎症の原因となる物質を選択的に抑える治療で、高い効果が期待できます。
当院でも多数の患者さんが治療を受けられていますので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。
スキンケア
毎日のスキンケアは治療と同じくらい重要です。皮膚を清潔に保ち、十分な保湿を続けることで、湿疹の再発を防ぎやすくなります。
スキンケアのポイント
- 毎日入浴・シャワーで皮膚を清潔に保つ
- 石けんはよく泡立ててやさしく洗う
- 入浴後はできるだけ早めに保湿剤を塗る
- 保湿剤は毎日継続して使用する
保湿剤にもさまざまな種類がありますので、患者さんに合ったものをご提案します。
悪化因子への対策
症状を安定させるためには、日常生活で悪化因子をできるだけ減らすことも重要です。
日常生活で気を付けること
- 室内を清潔に保ち、ダニやホコリを減らす
- 汗をかいたら早めに洗い流す
- シャワーが難しい場合は濡れタオルなどで汗を拭く
- 爪を短く切る
- 木綿など刺激の少ない衣類を選ぶ
- 十分な睡眠と適度なストレス解消を心がける
当院のアトピー性皮膚炎治療
当院では患者さん一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせ、
- 外用療法
- スキンケア指導
- 紫外線療法(ナローバンドUVB)
- 生物学的製剤(デュピクセント、ミチーガ)
まで幅広い治療をご提供しています。
「なかなか治らない」「かゆみがつらい」「新しい治療について相談したい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
適切な治療を継続することで、多くの患者さんが症状をコントロールし、快適な生活を送ることができます。私たちがそのお手伝いをいたします。







