多汗症(たかんしょう)について
2025年09月27日
多汗症とは
汗は体温調節など、私たちの体にとって欠かせない大切な働きをしています。
しかし、必要以上に汗が出てしまい、日常生活や仕事・学校生活に支障をきたす状態を「多汗症」といいます。
「手が汗でぬれて紙が持てない」「脇汗が気になって服の色を選んでしまう」「人前で手をつなげない」など、多汗症は生活の質(QOL)を大きく低下させる病気です。
適切な治療により症状が改善することも多いため、お悩みの方はお気軽にご相談ください。
多汗症の種類
多汗症は、大きく次のように分類されます。
原発性多汗症
特別な病気がないにもかかわらず発症する多汗症です。
多くは幼少期から思春期頃に始まり、手のひら、足の裏、わきなど限られた部位に左右対称に汗が多くみられます。
続発性多汗症
何らかの病気や薬剤が原因となって起こる多汗症です。
原因として、「感染症、甲状腺機能亢進症、糖尿病などの内分泌疾患、神経疾患、腫瘍、薬剤」などがあり、必要に応じて原因疾患の検査を行います。
原因
原発性多汗症の原因は完全には解明されていませんが、発汗を調節する交感神経の過剰な働き、遺伝的な体質などが関係していると考えられています。
治療について
症状や部位、生活への影響に応じて治療法を選択します。
外用療法(塗り薬)
現在、多汗症治療の第一選択となる治療です。
わきの多汗症
保険適用の外用薬として、エクロックゲル、ラピフォートワイプがあります。
発汗を促す神経の働きを抑え、汗の量を減らします。
手掌多汗症
保険適用のアポハイドローションがあります。
また、自費診療では塩化アルミニウム液(20~30%)を使用することもあります。
内服療法
抗コリン薬であるプロ・バンサインは、全身の発汗を抑える内服薬です。
口の渇き、便秘、眠気などの副作用があるため、患者さんの症状に合わせて使用します。
ボツリヌス療法(ボトックス注射)
ボツリヌス毒素製剤を皮膚に細かく注射することで、発汗を抑えます。治療効果は通常約6か月持続します。
わきの多汗症には健康保険が適用されます。
手のひらなどその他の部位では自費診療となる場合があります。
イオントフォレーシス(イオン導入療法)
手のひらや足の裏を水道水に浸し、微弱な電流を流す治療法です。
有効性が認められている治療ですが、1回約30分、週1~3回程度の通院が必要になります。
現在、当院ではイオン導入療法は行っておりません。
手術(胸部交感神経遮断術:ETS)
重症の手掌多汗症で、他の治療で十分な効果が得られない場合に検討されます。
内視鏡を用いて交感神経を遮断する手術ですが、代償性発汗(背中や腹部など別の部位の発汗が増える)が高率にみられるため、十分な説明を受けた上で慎重に適応を判断します。
当院での多汗症診療
当院では、上記の外用療法、注射療法、内服療法を中心に診療を行っています。
患者さんの症状や生活への影響、ご希望をお伺いしながら、一人ひとりに適した治療をご提案いたします。
「汗が多いのは体質だから仕方ない」とあきらめず、お気軽にご相談ください。







