乾癬(かんせん)について

2020年08月29日

乾癬とは、表面がガサガサして赤く盛りあがった発疹が全身のところどころにできる慢性の皮膚病です。人によって発疹の個数や大きさは違います。うつる病気ではありません。

症  状: 全身のあちこちに皮膚から少し盛り上がった赤い発疹が出来ます。その上にガサガサとたフケのような角質が付着し、ポロポロとはがれ落ちてきます。頭、肘、膝、腰、すねなどに出来やすく、人によって大きさ、数、形は様々です。かゆみは約50%の患者さんにみられます。内臓を侵すことはありませんが、爪の変形や関節炎を伴うことがあります。

原  因: まだ完全に解明されていませんが、乾癬になりやすい体質があることは解っています。その体質に感染症、ストレス、特殊な薬剤などの外的因子や肥満、糖尿病などの内的因子が加わると発症すると言われています。
乾癬になりやすい体質は遺伝するといわれていますが、かならず発症するとは限りません。日本での家族内発症頻度は4~5%といわれています。

治  療: 乾癬の治療は外用療法、内服療法、光線療法の3つが主体です。新しい治療として生物学的製剤も使われるようになっています。これらを症状にあわせ、効果や副作用を診ながら単独あるいは併用で選択します。
外用薬療法・・・ ステロイド外用薬、ビタミンD3外用薬が主に使われますが、最近は両者を混合した外用薬も登場しています。

光線療法・・・ 近年は「ナローバンドUVB」や「エキシマライト」という有害な波長を取り除いた特定の波長領域の紫外線を照射する治療で有効性が認められています。特にエキシマライトは、効果の高いと言われている308nmの紫外線を患部に照射する光線療法であり、従来の光線治療で効果が見られなかった症例でも改善が期待できる治療法です。保険適応で、週に1~2回の通院が必要です。(当院で治療可能です)

内服療法・・・ 皮疹が広範囲であったり症状の強い場合に適応となります。近年はPDE4阻害薬という細胞内で炎症性および抗炎症に関与する物質の発現を調節することにより、乾癬の症状を改善する副作用の少ない内服薬が主流です。その他レチノイド、シクロスポリン、メソトレキサートなどがあります。

生物学的製剤・・・ 点滴や注射剤による治療法です。上記の治療で十分な効果が得らえない重症な場合に適応となります。治療費が高価であることが難点です。

日常生活上の注意: 食事はバランスよく、肉類や脂肪分は取り過ぎないようにしましょう。タバコやアルコールもできるだけ控えましょう。またストレスも乾癬を悪化させるので、できるだけ解消するように心がけましょう。日光浴は乾癬に対し良い効果があります。ただし過渡の日焼けはかえって悪化することがあるので注意して下さい。風邪などの感染症で乾癬が悪化することがあります。風邪のシーズンにはうがい、手洗い、マスクなどで予防しましょう。皮膚を強くこすると乾癬の皮疹が誘発されたり広がったりします。皮膚への刺激を避けるようにしましょう。

乾癬は慢性で治りにくく、長年にわたり軽快と悪化を繰り返す厄介な病気です。しかし治療により皮疹が完全に消失したり、長期にわたって皮疹が出なくなる方も少なくありません。また新しい治療法も次々と開発されていますので、しつこい皮疹にもあきらめずに治療を続けましょう。